▼音声で学びたい方はこちらへ🐻
現在撮影中!
▼『故郷《魯迅》』の対策はこちらから🐻
①授業前にひとこと
今回は魯迅の『故郷①』について扱っていきます❗️
長編でなかなか難易度高いです!
ご存知の通り、量も約15ページにも及ぶので、①〜⑤に分けております🐻
① 20年ぶりの故郷
② ルントウとの思い出
③ ヤンおばさん登場
④ 30年ぶりにルントウと再開
⑤ 子どもたちの未来
さて、いつも授業前に説明することですが…
⇧の内容をやる→学校指定のワークを3回やる❗️→学校の先生が授業中に説明した内容(ノート)を振り返りながら予想問題を自作する🔥
国語 以外の定期テスト対策は?
英語 の定期テスト対策は こちら から
teite channel をもっと活用する
▷ 解説記事のリクエスト
▷ 新着情報のキャッチ
▷ 定期テスト予想問題
▷ オリジナルグッズの販売
ができるようになっています🐻
teite channel の 公式LINEアカウント はこちら
①本文
(1) 厳しい寒さの中を、二千里の果てから、別れて二十年にもなる故郷へ、私は帰った。
(2) もう真冬の候であった。そのうえ、故郷へ近づくにつれて、空模様は怪しくなり、冷たい風がヒューヒュー音を立てて、船の中まで吹き込んできた。苫の隙間から外をうかがうと、鉛色の空の下、わびしい村々が、いささかの活気もなく、あちこちに横たわっていた。覚えず寂寥の感が胸に込み上げた。
(3) ああ、これが二十年来、片時も忘れることのなかった故郷であろうか。
(4) 私の覚えている故郷は、まるでこんなふうではなかった。私の故郷は、もっとずっとよかった。その美しさを思い浮かべ、その長所を言葉に表そうとすると、しかし、その影はかき消され、言葉は失われてしまう。やはりこんなふうだったかもしれないという気がしてくる。そこで私は、こう自分に言い聞かせた。もともと故郷はこんなふうなのだー進歩もないかわりに、私が感じるような寂寥もありはしない。そう感じるのは、自分の心境が変わっただけだ。なぜなら、今度の帰郷は決して楽しいものではないのだから。
(5) 今度は、故郷に別れを告げに来たのである。私たちが長いこと一族で住んでいた古い家は、今はもう他人の持ち物になってしまった。明け渡しの期限は今年いっぱいである。どうしても旧暦の正月の前に、住み慣れた古い家に別れ、なじみ深い故郷をあとにして、私が今暮らしを立てている異郷の地へ引っ越さねばならない。
(6) 明くる日の朝早く、私は我が家の表門に立った。屋根には一面に枯れ草のやれ茎が、折りからの風になびいて、この古い家が持ち主を変えるほかなかった理由を説き明かし顔である。いっしょに住んでいた親戚たちは、もう引っ越してしまった後らしく、ひっそり閑としている。自宅の庭先まで来てみると、母はもう迎えに出ていた。後から、八歳になる甥のホンル(宏児)も飛び出した。
(7) 母は機嫌良かったが、さすがにやるせない表情は隠し切れなかった。私を座らせ、休ませ、茶をついでくれなどして、すぐ引っ越しの話は持ち出さない。ホンルは、私とは初対面なので、離れた所に立って、じっと私の方を見つめていた。
(8) だが、とうとう引っ越しの話になった。私は、あちらの家はもう借りてあること、家具も少しは買ったこと、あとは家にある道具類をみんな売り払って、その金で買い足せばよいこと、などを話した。母もそれに賛成した。そして、荷造りもほぼ終わったこと、かさばる道具類は半分ほど処分したが、よい値にはならなかったこと、などを話した。
②著者情報
魯迅(ろじん)
1881 〜 1936年。中国の小説家で、中国近代文学の父と呼ばれている。
魯迅は、小説『阿Q正伝』『狂人日記』など、生涯において、小説集3冊、雑文集17冊、散文詩集1冊、回想記1冊を刊行したほか、『中国小説史略』をはじめとする研究書や論文、さらに膨大な翻訳を残した。
③勉強のポイント
① 望まない形での帰郷により、故郷が美しさを失ったように見えるくらい、一つひとつの景色が「私」の心を表している様子を理解する。
② 漢字・重要語句をインプットする
③ ストーリーの流れ、重要語句をおさえた後、最低でも音読10回(可能ならば、暗唱できるレベルまで)は行う。
*定期テストは、同じ文章が出題されるため❗️
④作品をざっくり理解しよう
【①の要約】
⑤漢字・重要語句
【1】二千里の果てから
《意味・ポイント》
中国の一里は、約500メートル。ここでは、はるかに遠く離れた所、という意味。
ちなみに、魯迅の故郷は浙江州紹興だが、彼は当時北京に住んでいた💦
なんと距離は、1357キロ❗️
下の地図で見てみよう!
【2】もう真冬の候であった
《意味・ポイント》
「候(そうろう)」とは、時期につける言葉で、意味は「時節、時季」。内容を解釈するだけなら、省いても伝わるので、ここでは省いて考えてみよう!
【3】空模様
《意味・ポイント》
天気の様子のこと。
そこから、事のなりゆきを比喩的に表す言葉にもなった!
本文では、シンプルに「天気の様子」という意味で使われている。
〈例文〉
夫婦ゲンカの空模様が怪しい。
【4】苫
《意味・ポイント》
教科書には…
スゲやカヤなどの草で編んだ、粗いむしろのようなもの。舟や小屋に掛けて雨露を防ぐ。
と書かれています!
少しイメージがつかない人もいるかもしれませんので、イメージ画像を貼っておいきます。
【5】鉛色の空の下
《意味・ポイント》
ここは風景が「私」の気持ちを表している場面。
後から出てくるが、今回の帰郷は決して楽しいものではないため、「鉛色」という表現をしている。
小説では、登場人物の気持ちを、風景が表しているのは、よくあるパターン❗️
【6】わびしい
《意味・ポイント》
「わびしい」とは、「侘しい」という漢字で表す。
意味は「安らぎやうるおいがなく、心細い様子」のこと。つまり、どことなく元気がなく、寂しい様子であるということ。
【7】いささかの
《意味・ポイント》
「ほんの少し」という意味。
本文では、「いささかの活気もなく」と使われているので、「ほんの少しの活気もなく」と、「少しも〜ない」という否定とセットで使われています❗️
【8】横たわって
《意味・ポイント》
「横たわる」とは、主に3つの意味で使います。
① 横になる、寝そべる
② 横または水平に長くのびる
③ 前に立ちふさがっている
ここでは、船にに乗って故郷に向かっているので、③で解釈すると良さそうですね!
【9】覚えず
《意味・ポイント》
おもわず。無意識に。
意外と、わかった気になっている言葉かも?💦
【10】寂寥の感
《意味・ポイント》
ものさびしい様子・感じ。
「〜の感」とあるので、「ものさびしい感情」ということですね!
【11】胸に込み上げた
《意味・ポイント》
「胸に込み上げる」とは、「胸の奥から、感情や感覚が喉元に上がってくるさま。喜怒哀楽の感情が急激に湧き上る様子」です。
つまりここでは、「ものさびしい感情」が急に自分の中から湧き上がってきた、ということです。
【12】二十年来
《意味・ポイント》
20年も長くずっと続いていること。
【13】片時も
《意味・ポイント》
ほんの少しの間も
【14】まるでこんなふうではなかった
《意味・ポイント》
ここはとても重要です❗️
ここから、「こんなふう」という言葉が、3回も続きます。
まず「こんな」は指示語になるので、何を指しているか質問される可能性がありますね!さて、何を指しているか考えてみましょう!!
こういう指示語問題はコツがあります。
①主語を発見せよ❗️
②前後(特に前)を探せ❗️
これがめちゃくちゃ大事です。
つまり、こんなふうではなかったのは…「故郷」ですね!
そして、この文より前に故郷の様子が書かれているのは、「わびしい村々が〜横たわっていた」の部分です。つまり、「こんなふう」が指しているのは、この部分だったんですね❗️
【15】その影はかき消され、言葉は失われてしまう
《意味・ポイント》
この部分の直前の「その(故郷の)美しさを思い浮かべ、その(故郷の)長所を言葉に表そうとすると」と対応していて、ここを見逃さないのが意外と重要です。
つまり…
その(故郷の)美しさを思い浮かべた
↑《しかし》
その(故郷の)影(思い浮かべようとした美しさ)はかき消され
その(故郷の)長所を言葉に表そうとする
↑《しかし》
言葉(故郷の長所を表そうとした言葉)は失われてしまう
こういう関係になっているのですね!
この対応関係と、それを作り出している「しかし」という接続詞がすごく重要です。
【16】こう自分に言い聞かせた
《意味・ポイント》
これは「どう言い聞かせたのか?抜き出しなさい。」という問題が作られそうな部分です。
「こう自分に言い聞かせた」の「こう」は指示語ではありますが、具体的な内容は後ろに書かれています。
この部分です↓
もともと故郷はこんなふうなのだー進歩もないかわりに、私が感じるような寂寥もありはしない。そう感じるのは、自分の心境が変わっただけだ。なぜなら、今度の帰郷は決して楽しいものではないのだから。
指示語とダッシュ(ダッシュより前の部分を補足説明する役割)があるので、そこも補いながら解釈をすると、こうなりますね❗️
もともと故郷はこんなふう(わびしい村々が、いささかの活気もなく、あちこちに横たわっていた)なのだ
ー(つまりどういうことかと言うと…)
進歩もないかわりに、私が感じるような寂寥もありはしない。
そう(寂寥を)感じるのは、自分の心境が変わっただけだ。
なぜなら、今度の帰郷は決して楽しいものではないのだから。
ここまで執筆完了❗️日々解説を加えていきます!
teite channel の 公式LINEアカウント はこちら
⑥ひとこと要約
(1) 超遠くから寒い中、故郷に帰ったで!
(2) 昔と違って元気がない故郷の雰囲気に、さびしい気持ちになったわ…。
(3) 20年間ずっと想い続けたふるさとだったのにな。
(4) ってか自分のメンタルが落ちてるからこう見えるのかな?いやそうに違いない。
(5)
(6)
(7)
(8)
これで全て終了です❗️
「故郷①《魯迅》」おつかれさまでした🐻
⇧の内容をやる→学校指定のワークを3回やる❗️→学校の先生が授業中に説明した内容(ノート)を振り返りながら予想問題を自作する🔥
最後まで見てくださってありがとうございました!
またお会いしましょう!定期テストがんばれ〜🐻
じゃあね〜、バイバイ!!