【定期テスト】史記・鴻門の会①《両雄会見》 | 教科書本文解説・書き下し文・現代語訳(漢文)

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①本文

沛公旦日従百余騎、来見項王、至鴻門。
謝曰、「臣与将軍戮力而攻秦。
将軍戦河北、臣戦河南。
然不自意、能先入関破秦、得復見将軍於此。
今者有小人之言、令将軍与臣有郤。」
項王曰、「此沛公左司馬曹無傷言之。
不然、籍何以至此。」


②書き下し文

沛公旦日百余騎を従へ、来たりて項王に見えんとし、鴻門に至る。
謝して曰はく、「臣将軍と力を戮せて秦を攻む。
将軍は河北に戦ひ、臣は河南に戦ふ。
然れども自ら意はざりき、能く先に関に入りて秦を破り、復た将軍に此に見ゆるを得んとは。
今者小人之言有り、将軍をして臣と郤有らしむ。」
項王曰はく、「此れ沛公の左司馬曹無傷之を言へり。
然らずんば、籍何を以てか此に至らん。」と。


③現代語訳

沛公は翌朝、百騎余りを従え、やって来て項王にお目にかかろうとして、鴻門に着いた。

(沛公が項王に)謝罪して言うには、「私は将軍と力を合わせて芯を攻めました。将軍は黄河の北で戦い、私は黄河の南で戦いました。しかしながら自分では思いもよリませんでした、(私が)先に関中に入って秦を破ることができて、再び将軍にここでお目にかかることができるとは。(ところが)今、つまらない者の言葉があって、将軍に私と仲違いをさせようとしているのです。」と。

項王が言うには、「それは沛公の左司馬の曹無傷がこれ(=告げ口)を言ったのだ。そうでなければ、私がどうしてこんな(=沛公を攻撃するような)事態に至るだろうか(いや決してこんな事態には至らない)。」と。


④早わかり重要ポイント

【1】見項王

《書き下し》
項王に見えんとし

《訳》
項王(項羽)にお目にかかろうとして

《重要ポイント》
「見」という字は、普通に見ると読むこともできるが、今回は「まみユ」と読む。身分の高い人と会う場合はこの使い方をする。この場合の意味は「会う」の謙譲語である「お目にかかる」になる。

【2】謝

《書き下し》
謝して

《訳》
謝罪して

《重要ポイント》
函谷関を封鎖して項王の怒りを招いたことを謝罪したのである。ちなみにこの謝罪を沛公に促したのは、項羽の叔父である項伯である。詳しくはエピソード0を見るのをおすすめする。

【3】臣

《書き下し》

《訳》

《重要ポイント》
へりくだって言う場合の一人称代名詞。この場合は沛公から項王に対しての言葉なので、沛公が謙って自分のことを言っている。

【4】与

《書き下し》

《訳》
〜と。一緒に。

《重要ポイント》
英語で言うwithのニュアンス。今回は返り点があるため「と」と読むが、返り点がない場合は「ともニ」と読む。意外と重要語。

【5】将軍

《書き下し》
将軍

《訳》
将軍

《重要ポイント》
将軍と訳せば良いだけだが、誰のことを指しているのかを理解する必要がある。今回は項王のことを指す。

【6】而

《書き下し》
置き字のため書かない

《訳》
順接 or 逆接

《重要ポイント》
文脈によって、順接・逆接のニュアンスを持つこの置き字。今回は順接で理解すればOK❗️

【7】河北

《書き下し》
河北

《訳》
黄河の北

《重要ポイント》
漢字を見れば「河の北」であることは分かるが、その河とは黄河のこと。ちなみに「河南」は黄河の南エリアを指す。

【8】然不自意

《書き下し》
然れども自ら意はざりき

《訳》
自分では思いもよらなかった

《重要ポイント》
ここは解釈が難しい部分。後の文章「能く先に関に入りて秦を破り、復た将軍に此に見ゆるを得んとは。(先に関中に入って芯を破ることができて、再び将軍にここでお目にかかることができるとは)」と倒置になっている。

【9】能先入関破秦

《書き下し》
能く先に関に入りて秦を破り

《訳》
先に関中に入って秦を破ることができて

《重要ポイント》
『能A』:能クAス=Aすることができる。
可能を表す表現。関とは関中の地のことで、秦の本拠地を指す。

⑤定期テスト予想問題

この章はなし!

最後まで見てくださってありがとうございました🐻
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