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授業前にひとこと
今回は『鴻門の会③』(樊噲登場)について扱っていきます❗️
あの武闘派樊噲がいよいよ登場します!
ここまでは…🐻
エピソード0:そもそもなんで揉めてるの?
鴻門の会①:沛公が項羽に謝りに行く
鴻門の会②:(剣舞によって)沛公の危機
という流れで授業をしてきました❗️
今までのところ忘れちゃったよ〜って方はぜひ復習しましょうね。
さて、いつも授業前に説明することですが、定期テスト前で時間がない場合は、勉強のポイントを踏まえて、ストーリーを理解することに専念しましょう!
時間がある場合は、樊噲の溢れ出るパワーをイメージして楽しみながら学習しましょう🐻
そして、AO入試(総合型選抜)・指定校推薦を狙っている学生さんは、こういう人は問答無用でやり切るべし!笑。評定上げるのはマストになってくるので、定期テスト予想問題まで、一つひとつ丁寧にやっていきましょう!!
勉強のポイント
①張良と樊噲の行動・会話を辿り、どちらの行動・セリフかを意識すること。
②張良・樊噲の主である沛公は今どんな状態なのかをイメージすること。
③指示語が指している内容を踏まえ、本文中で省略されている内容を補いながら読解すること。
本文
於是張良至軍門、見樊噲。
樊噲曰、「今日之事何如。」
良曰、「甚急。
今者項荘抜剣舞。
其意常在沛公也。」
噲曰、「此迫矣。
臣請、入与之同命。」
噲即帯剣擁盾入軍門。
交戟之衛士、欲止不内。
樊噲側其盾、以撞衛士仆地。
書き下し文
是に於いて張良軍門に至り、樊噲を見る。
樊噲曰はく、「今日の事何如」と。
良曰はく、「甚だ急なり。
今者項荘剣を抜きて舞ふ。
其の意常に沛公に在るなり」と。
噲曰はく、「此れ迫れり。
臣請ふ、入りて之と命を同じくせん」と。
噲即ち剣を帯び盾を擁して軍門に入る。
交戟の衛士、止めて内れざらんと欲す。
樊噲其の盾を側てて、以て衛士を撞きて地に仆す。
現代語訳
そこで張良は軍営の門まで行き、樊噲と会った。
樊噲が言うには、「今日のこと(=会見の様子)はいかがであろうか」と。
張良が言うには、「非常に急迫している。今、項荘が剣を抜いて待っている。
その(=項荘)意図は常に沛公(を殺すこと)にあるのだ。」と。
樊噲が言うには、「これは緊急事態である。
私は(宴席の)中に入って彼(=わが主君)と運命をともにしたい。」と。
樊噲はただちに剣を腰に着け、盾を抱えて軍営の門に入った。
(すると)軍営の門の両側に立って、戟(ほこ)を十文字に交差して守る番兵が、(樊噲を)とどめて入れまいとした。
樊噲はその盾を斜めに構え、それで番兵を突いて地面に倒した。
早わかり重要ポイント
【1】於是
《書き下し》
是(ここ)に於(お)いて
《訳》
こうして。そこで。
《重要ポイント》
前回の鴻門の会②にて、范増が項荘に、剣舞に見せかけて沛公を殺すように命じたが、項伯がそれを察して、身をもって沛公をかばっていた。(ちなみに、なぜ項羽サイドの項伯が、なぜ沛公の命を守っているかはエピソード0をチェック🐻)
そこで(=その状況をなんとかしないと思い)、張良が樊噲に助けを求めたという流れ。
【2】今日之事何如
《書き下し》
今日の事何如
《訳》
今日のこと(=会見の様子)はいかがであろうか
《重要ポイント》
「何如」=疑問を表す。「何若」と同じく状態・程度・是非を聞く。
おまけの知識として、「何」が下にくる「如何」「若何」「奈何」は手段・方法を問う疑問詞🐻反語を表す場合もある。
また、今日のことが、項王と会見した様子を指していることも要チェック❗️
【3】甚急
《書き下し》
甚だ急なり
《訳》
非常に急迫している
《重要ポイント》
これは、張良の言葉で、沛公は非常に危険な状態であることを伝えている!なぜ、危険なのかというと、次の文「今者項荘抜剣舞」だから❗️その狙いは【4】をチェック!
「急」=差し迫っている。切迫している。急迫している。
【4】其意
《書き下し》
其の意
《訳》
その(=項荘の)意図
《重要ポイント》
その意図、そのねらい、という意味。ここで大事なのは、①指示語「その」が何を指していて、②その意図は一体なんなのか?、という二点をしっかりおさえる🐻
①指示語「その」は「項荘」のことを指している
②項荘の意図は、「常在沛公也(常に沛公に在るなり)」で、つまり沛公を殺すことにある!!
【5】此迫矣
《書き下し》
此れ迫れり
《訳》
これは緊急事態である
《重要ポイント》
直訳すると、「これは迫っている」となる。そのため、指示語と省略されている内容を補う!
「此」=宴席の様子のこと。
「迫矣」=項荘が剣舞を舞って沛公を殺そうとしていて、沛公の命が危ない。つまり緊急事態であるということ。
ちなみに「矣」は断定を表す置き字で、「也」よりも強め!
【6】臣請
《書き下し》
臣請ふ
《訳》
私に〜させて欲しい。わたしは〜したい。
《重要ポイント》
願望を表す句形。「臣請〜」の〜の部分を求めているということ。求めている内容は【7】をチェック❗️
「臣」=わたし(へりくだって言う場合の一人称代名詞)。この場合は樊噲のこと。
【7】入与之同命
《書き下し》
入りて之と命を同じくせん
《訳》
《私は》(宴席の)中に入って彼(=わが主君)と運命をともに《したい》
《重要ポイント》
《 》部分は【6】の願望系が意味する内容。①どこに入るのか?②指示語が指す内容は?③「命を同じくす」とはどういうことか?、の三つを整理すること🐻
「入」=入って。この場合は、宴席の中に入っていくことを指す。
「之」=これ。この場合は、沛公のことを指している。
「命を同じくす」とは、直訳すると「(沛公と)命を同じにしたい」ということ。つまり、「生死をともにする」ということ。我が主と運命をともにする❗️というニュアンス
【8】即帯剣擁盾
《書き下し》
即ち剣を帯び盾を擁して
《訳》
ただちに剣を腰に着け、盾を抱えて
《重要ポイント》
意味自体は簡単!つまり、樊噲が戦いの意志表示をしているシーンだというのを理解しとこう🐻
「即」=接続詞。すぐさま、ただちに、という意味。
「帯」=腰に着ける。身につける。 (例)携帯
「擁」=抱きかかえる。 (例)抱擁
【9】交戟之衛士
《書き下し》
交戟の衛士
《訳》
軍営の門の両側に立って、戟(ほこ)を十文字に交差して守る番兵
《重要ポイント》
これは、訳をそのまま理解しておこう!
【10】欲止不内
《書き下し》
止めて内れざらんと欲す
《訳》
(樊噲を)とどめて入れまいとした
《重要ポイント》
ここでのポイントは2つ❗️
①「誰を」とどめて入れまいとしたのか?、②願望の句形「Aせんと欲す」を知る、の二つです!
①「誰を」とどめて入れまいとしたのか?=ここは、もちろん「樊噲」!
②願望の句形「欲A(Aせんと欲す)」=Aしようとする。
【11】側
《書き下し》
側(そばだ)てて
《訳》
斜めに構えて。傾けて立てて。
《重要ポイント》
ここで斜めにしているのは盾。これを壁にして樊噲が突入していくということ。
その次に「以て衛士を撞きて地に仆(たお)す」と書いてある通り🐻
定期テスト予想問題
【第一問・予想問題】
「今日之事何如」の「何如」は「どのような様子か」という意味であるが、何について質問しているのか?
【解答のポイント】
【2】今日之事何如 をチェック❗️
【解答例】
会見全体の様子
【第二問・予想問題】
「臣請、入与之同命。」について
(1)「之」は誰を指しているか?
(2)「同命」はどのような意味か?
(3)ここは樊噲のどのような気持ちが表れているか?
【解答のポイント】
【2】今日之事何如 をチェック❗️
【解答例】
(1)沛公
(2)運命をともにすること
(3)自分の命を賭けてでも、主である沛公を救いたい
【第三問・予想問題】
「欲止不内」について
(1)誰を止めようとしているのか?
(2)どこに「不内」しているのか?ア〜エの中から選べ。
ア. 項王軍の幕営の中 イ. 衛士の詰所の中 ウ. 項王の寝室の中 エ.沛公軍の駐屯地の中
【解答のポイント】
【10】欲止不内 をチェック❗️また止められている(1)は、何のために入ろうとしているのかをおさえる。
【解答例】
(1)樊噲
(2)ア(主である沛公が命の危機にあるのは、宴会が行われているア。イ〜エは不適切)
これで全て終了です❗️
「鴻門の会③」おつかれさまでした🐻
⓪授業前にひとこと、でも話しましたが、定期テスト前で時間がない場合は、まずはストーリーの理解、そして早わかり重要ポイントのピンク・オレンジの重要暗記だけで十分❗️
ただAO入試・指定校推薦を狙っている方は、ガッツリ向き合って評定を確保していきましょう!!
最後まで見てくださってありがとうございました🐻
またお会いしましょう!定期テストがんばれ〜🐻
じゃあね〜、バイバイ!!
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