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- 授業前にひとこと
- 勉強のポイント
- 本文
- 重要単語
- 書き下し文
- 現代語訳
- 重要ポイント
- 【1】博陵崔護、姿質甚美而孤潔寡合。
- 【2】挙進士下第。
- 【3】清明日、独遊都城南、得居人荘。
- 【4】一畝之宮、花木叢萃、寂若無人。
- 【5】扣門久之。
- 【6】有女子、自門隙窺之、問曰。「誰耶。」
- 【7】以姓字対曰、「尋春独行、酒渇求飲。」
- 【8】女入、以杯水至、開門設牀命坐、独倚小桃斜柯佇立、而意属殊厚。
- 【9】妖姿媚態、綽有余妍。
- 【10】崔以言挑之、不対。
- 【11】目注者久之。
- 【12】崔辞去、送至門、如不勝情而入。
- 【13】崔亦睠盻而帰。
- 【14】嗣後絶不復至。
- 【15】及来歲清明日、忽思之、情不可抑。
- 【16】逕往尋之、門牆如故、而已鎖扃之
- 【17】因題詩於左扉曰、
- 【18】去年今日此門中
- 【19】人面桃花相映紅
- 【20】人面祇今何処去
- 【21】桃花依旧笑春風
- 【22】後数日、偶至都城南、復往尋之。
- 【23】聞其中有哭声、扣門問之。
- 【24】有老父出曰、「君非崔護耶。」
- 【25】曰、「是也。」
- 【26】又哭曰、「君殺吾女。」
- 【27】護驚起、莫知所答。
- 【28】老父曰、「吾女笄年知書、未適人。
- 【29】自去年以来、常恍惚若有所失。
- 【30】比日与之出。
- 【31】及帰、見左扉有字、読之入門而病。
- 【32】遂絶食数日而死。
- 【33】吾老矣。
- 【34】此女所以不嫁者、将求君子以託吾身。
- 【35】今不幸而殞。
- 【36】得非君殺之耶。」
- 【37】又特大哭。
- 【38】崔亦感慟、請入哭之、尚儼然在牀。
- 【39】崔挙其首、枕其股、哭而祝曰、「某在斯、某在斯。」
- 【40】須臾開目、半日復活矣。
- 【41】父大喜、遂以女帰之。
- 定期テスト予想問題
授業前にひとこと
今回は『 人面桃花(孟綮)』について扱っていきます❗️
この小説のポイントは…🐻
『美しい娘と崔護の恋愛物語』ということです👀
3つの段落の中で、崔護と娘はどのような心情なのか?
互いに惹かれ合いながらも、それを言葉には出さない姿。
そして、最後には純愛による奇跡のラブストーリー💌
そうやって読んで欲しい漢文小説です📕
さて、いつも授業前に説明することですが…
⇧に載せてあります『重要単語・現代語訳・書き下し文トレーニング』をテスト1週間前から毎日やってみてください❗️曖昧な理解がなくなり、成績が爆伸びします!!
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勉強のポイント
①三段落の登場人物の心と行動をしっかり理解しよう❗️
②単語・重要ポイントをインプットしよう!
③再読文字の句法を学ぼう。
本文
博陵崔護、姿質甚美而孤潔寡合。
挙進士下第。
清明日、独遊都城南、得居人荘。
一畝之宮、花木叢萃、寂若無人。
扣門久之。
有女子、自門隙窺之、問曰。「誰耶。」
以姓字対曰、「尋春独行、酒渇求飲。」
女入、以杯水至、開門設牀命坐、独倚小桃斜柯佇立、而意属殊厚。
妖姿媚態、綽有余妍。崔以言挑之、不対。
目注者久之。崔辞去、送至門、如不勝情而入。
崔亦睠盻而帰。嗣後絶不復至。
及来歲清明日、忽思之、情不可抑。
逕往尋之、門牆如故、而已鎖扃之
因題詩於左扉曰、
去年今日此門中
人面桃花相映紅
人面祇今何処去
桃花依旧笑春風
後数日、偶至都城南、復往尋之。
聞其中有哭声、扣門問之。
有老父出曰、「君非崔護耶。」
曰、「是也。」
又哭曰、「君殺吾ガ女。」
護驚起、莫知所答。
老父曰、「吾女笄年知書、未適人。
自去年以来、常恍惚若有所失。比日与之出。
及帰、見左扉有字、読之入門而病。
遂絶食数日而死。吾老矣。
此女所以不嫁者、将求君子以託吾身。
今不幸而殞。得非君殺之耶。」
又特大哭。崔亦感慟、請入哭之、尚儼然在牀。
崔挙其首、枕其股、哭而祝曰、「某在斯、某在斯。」
須臾開目、半日復活矣。父大喜、遂以女帰之。
重要単語
進士 | 科挙(官史登用試験)の科目の1つ |
孤潔寡合 | 人と交際せず、身を潔く守り、世間の人とあまり気が合わない |
清明 | 春分から15日目の晴明節のこと。今の4月5,6日頃。 |
一畝の宮 | 小さな屋敷。「畝」は面積の単位。 |
叢萃 | 群がり生い茂る。群生。 |
酒渇 | 酒を飲んで喉が渇く |
牀 | ここでは、腰掛けのこと |
斜柯 | 斜めに伸びた枝 |
佇立 | たたずむ |
意属 | こころを寄せる。 |
妖姿媚態 | なまめかしい姿。 |
綽 | ゆったりとして優美な様子 |
余姸 | あふれるばかりの美しさ |
挑 | 誘いかける |
睠盼 | 振り返って見つめる |
嗣後 | その後。 |
門牆 | 門と土塀 |
鎖扃 | 門にかんぬきをして閉じる |
哭声 | 死者を弔って泣く声 |
笄年 | 女の子の15歳。結婚適齢期のこと。 |
儼然 | 厳かできちんとして様子 |
牀 | ここでは寝台のこと |
須臾 | まもなく |
書き下し文
博陵の崔護、姿質甚だ美にして、孤潔合ふもの寡なし。進士に挙げらるるも、下第す。
清明の日、独り都城の南に遊び、居人の荘を得たり。
一畝の宮にして、花木叢萃し、寂として人無きがごとし。
門を扣くこと之を久しくす。
女子有り、門隙より之を窺ひ、問ひて曰はく、「誰ぞや。」と。
姓字を以つて対へて曰はく、「春を訪ねて独り行き、酒渇して飲を求む。」と。
女入りて、杯水を以て至り、門を開き牀を設けて命じて坐せしめ、独り小桃斜柯に倚りて佇立し、意属殊に厚し。
妖姿媚態、綽として余姸有り。崔言を以つて之に挑むも、対へず。
目注する者之を久しくす。崔辞去するや、送りて門に至り、情に勝へざるがごとくして入る。
崔も亦睠盼して帰る。嗣後絶えて復た至らず。
来歳清明の日に及び、忽ち之を思ひ、情抑ふべからず。
逕ちに往きて之を尋ぬれば、門牆故のごとくなるも、已に之を鎖扃せり。
因りて詩を左扉に題して曰はく、
去年の今日此の門の中
人面桃花相映じて紅なり
人面は祇だ今何れの処にか去る
桃花は旧に依りて春風に笑ふ と。
後数日、偶都城の南に至り、復た往きて之を尋ぬ。
其の中に哭声有るを聞き、門を扣きて之を問ふ。
老父有り、出でて曰はく、「君は崔護に非ずや。」と。
曰はく、「是なり。」と。
又哭して曰はく、「君吾が女を殺せり。」と。
護驚き起ちて、答ふる所を知る莫し。
老父曰はく、「吾が女は笄年にして書を知り、未だ人に適かず。
去年より以来、常に恍惚として失ふ所有るがごとし。比日之と出づ。
帰るに及び、左扉に字有るを見、之を読み門に入りて病む。
遂に食を絶つこと数日にして死せり。吾老いたり。
此の女の嫁がざりし所以の者は、将に君子を求めて以って吾が身を託せんとすればなり。
今不幸にして殞す。君之を殺すに非ざるを得んや。」と。
又特に大いに哭す。崔も亦感慟し、請ひ入りて之に哭すれば、尚ほ儼然として牀に在り。
崔其の首を挙げ、其の股に枕せしめ、哭して祝りて曰はく、「某斯に在り、某斯に在り。」と。
須臾にして目を開き、半日にして復た活きたり。父大いに喜び、遂に女を以つて之に帰がしむ。
現代語訳
博陵の崔護は、容姿も才能も大変優れていたが、高潔で世間の人と気が合わなかった。
科挙の進士の受験資格を得たが、試験に落第してしまった。
清明節の日に、一人で長安の南の郊外をぶらぶら歩いていると、人の住んでいる屋敷を見つけた。
小さな屋敷で、花や木が生い茂っており、ひっそりとして人がいないかのようであった。
(崔護は)門をしばらくの間叩いた。
(屋敷の中には)娘がいて、門の隙間から崔護をのぞき見て、尋ねて言うことには、「どなたですか。」と。
(崔護が)姓と字を返答して言うには、「春を探し求めて一人で出歩き、酒を飲んでのどが渇いたので水をいただきたいのです。」と。
娘は中に入り、一杯の水を持ってきて、門を開けて腰かけ椅子を用意して(崔護を)座らせ、(娘は)一人で小さな桃の木の斜めに伸びた枝に寄りかかってたたずみ、(崔護に)たいそう思いを寄せる様子であった。
(その娘の)なまめかしい姿は、ゆったりとして優美であり、あふれるばかりの美しさがあった。
崔護は娘に言葉をかけて、娘の気を引こうとした、(娘は)返事をしなかった。
(娘は崔護を)しばらくの間じっと見つめていた。
崔護が別れを告げると、(娘は崔護を)送って門のところまで来て、感情を抑えきれないようで(家のの中に)入って行った。
崔護もまた振り返って見つめて(名残惜しそうに)帰った。
その後二度と(その屋敷を)訪れることはなかった。
翌年、晴明節の日になって、(崔護は)ふと娘のことを思い出し、恋しい気持ちを抑えることができなかった。
すぐに出かけて行ってこれ(=娘の屋敷)を訪ねると、門と土塀はもとのとおりであったが、もはや門にかんぬきをして閉じていた。
そこで、詩を左の扉に書きつけて言うことには、
昨年の今日、この門の中で、
(美しいあの)人の顔と桃の花とがお互いに紅色に照り映えていた。
(あの美しい)顔の人はいったい今どこに去ってしまったのか。
桃の花は昔のまま春風にほほ笑んでいるようだ と。
その数日後、(崔護は)たまたま長安の南に行ったので、再び娘の屋敷を訪ねた。
その屋敷の中で、死者を弔って泣く声がするのを聞き、門をたたいてそのわけを尋ねた。
老父がいて、出てきて言うには、「あなたは崔護ではありませんか。」と。
(崔護が)言うことには、「そうです。」と。
(老父が)さらに声をあげて泣いて言うことには、「あなたは私の娘を殺しました。」と。
崔護は驚き立ち上がって、何と答えてよいか分からなかった。
老父が言うには、「私の娘は十五歳で読み書きを身につけていましたが、まだ嫁に行っていませんでした。
去年から、いつもぼんやりとして気が抜けたような状態になりました。
最近娘と出かけました。
帰ってくると、(門の)左の扉に字が書いてあるのを見て、それを読んで門の中に入ると(娘は)病気になりました。
そのまま食事をとらなくなって数日で死んでしまいました。私は年老いています。
この娘が嫁に行かなかった理由は、あなた様を探し求めて自身の身を託そうとしていたからなのです。
(娘は)今不幸にも死んでしまいました。あなたが娘を殺さなかったと言えましょうか。(いや、あなたが殺したようなものだ。)」と。
(老父は)さらに特に大きな声で泣いた。
崔護もまた深く悲しみ、頼み込んで家の中に入って娘のために声をあげて泣いた。
(娘の遺体は)今もなお厳かできちんとした様子で寝台の上にあった。
崔護は娘の首を持ち上げ、自分の太ももを枕にさせて、声をあげて泣いて、神に祈って言うことには、「私はここにいますよ、私はここにいますよ。」と。
しばらくして(娘は)目を開き、半日で再び生き返った。
父親はたいそう喜び、そのまま娘を崔護に嫁がせた。
重要ポイント
【ピンク】重要な漢字・句法
【オレンジ】指示語が指す内容・省略されている内容など読解に必要なこと
【黄色】プラスアルファの内容(本文には関係ないけど重要なこと)
【1】博陵崔護、姿質甚美而孤潔寡合。
《書き下し文》
博陵の崔護、姿質甚だ美にして、孤潔合ふもの寡なし。
《和訳》
博陵の崔護は、容姿も才能も大変優れていたが、高潔で世間の人と気が合わなかった。
《重要ポイント》
而=置き字なので読まない❗️
而=接続助詞
直前の送り仮名が
「ドモ」・・・逆接
「テ・デ・シテ」・・・順接
しかし❗️今回の本文では逆接で使われているので注意!
【2】挙進士下第。
《書き下し文》
進士に挙げらるるも、下第す。
《和訳》
科挙の進士の受験資格を得たが、試験に落第してしまった。
《重要ポイント》
【3】清明日、独遊都城南、得居人荘。
《書き下し文》
清明の日、独り都城の南に遊び、居人の荘を得たり。
《和訳》
清明節の日に、一人で長安の南の郊外をぶらぶら歩いていると、人の住んでいる屋敷を見つけた。
《重要ポイント》
都城=都の町のこと。長安のことを指します🐰
【4】一畝之宮、花木叢萃、寂若無人。
《書き下し文》
一畝の宮にして、花木叢萃し、寂として人無きがごとし。
《和訳》
小さな屋敷で、花や木が生い茂っており、ひっそりとして人がいないかのようであった。
《重要ポイント》
若A=Aがごとし=Aのようだ(比況形)
*書き下し文にする時にひらがなにするので注意!
「ごとし」=比況・例示・同等の助動詞です!若・如で使われます🐰
体言(名詞)+のごとし
活用語の連体形+がごとし
覚えておいてね〜🙌
【5】扣門久之。
《書き下し文》
門を扣くこと之を久しくす。
《和訳》
(崔護は)門をしばらくの間叩いた。
《重要ポイント》
久之=しばらくの間
*之は訳さなくてOK!
【6】有女子、自門隙窺之、問曰。「誰耶。」
《書き下し文》
女子有り、門隙より之を窺ひ、問ひて曰はく、「誰ぞや。」と。
《和訳》
(屋敷の中には)娘がいて、門の隙間から崔護をのぞき見て、尋ねて言うことには、「どなたですか。」と。
《重要ポイント》
自=起点を表す前置詞=〜から
*書き下し文は日本語!注意!
【7】以姓字対曰、「尋春独行、酒渇求飲。」
《書き下し文》
姓字を以つて対へて曰はく、「春を訪ねて独り行き、酒渇して飲を求む。」と。
《和訳》
(崔護が)姓と字を返答して言うには、「春を探し求めて一人で出歩き、酒を飲んでのどが渇いたので水をいただきたいのです。」と。
《重要ポイント》
【8】女入、以杯水至、開門設牀命坐、独倚小桃斜柯佇立、而意属殊厚。
《書き下し文》
女入りて、杯水を以て至り、門を開き牀を設けて命じて坐せしめ、独り小桃斜柯に倚りて佇立し、意属殊に厚し。
《和訳》
娘は中に入り、一杯の水を持ってきて、門を開けて腰かけ椅子を用意して(崔護を)座らせ、(娘は)一人で小さな桃の木の斜めに伸びた枝に寄りかかってたたずみ、(崔護に)たいそう思いを寄せる様子であった。
《重要ポイント》
命A=命じてAせしむ=Aさせる(使役)
本文では、「座らせて」という意味
🐰使役系のプラスワン🐰
A命BC=ABに命じてCせしむ=AはBに命じてCをさせる
✏️問題
命故人書之
=故人に命じて之を書せしむ(書き下し文)
=昔の友に命じてこれを書かせた(現代語訳)
【9】妖姿媚態、綽有余妍。
《書き下し文》
妖姿媚態、綽として余姸有り。
《和訳》
(その娘の)なまめかしい姿は、ゆったりとして優美であり、あふれるばかりの美しさがあった。
《重要ポイント》
【10】崔以言挑之、不対。
《書き下し文》
崔言を以つて之に挑むも、対へず。
《和訳》
崔護は娘に言葉をかけて、娘の気を引こうとした、(娘は)返事をしなかった。
《重要ポイント》
【11】目注者久之。
《書き下し文》
目注する者之を久しくす。
《和訳》
(娘は崔護を)しばらくの間じっと見つめていた。
《重要ポイント》
久之=しばらくの間
*之は訳さなくてOK!2回目の登場ですね🐰
【12】崔辞去、送至門、如不勝情而入。
《書き下し文》
崔辞去するや、送りて門に至り、情に勝へざるがごとくして入る。
《和訳》
崔護が別れを告げると、(娘は崔護を)送って門のところまで来て、感情を抑えきれないようで(家の中に)入って行った。
《重要ポイント》
如A=Aがごとし=Aのようだ(比況形)
*書き下し文にする時にひらがなにするので注意!
不勝=勝へざるが=抑えきれない(否定形)
【13】崔亦睠盻而帰。
《書き下し文》
崔も亦睠盼して帰る。
《和訳》
崔護もまた振り返って見つめて(名残惜しそうに)帰った。
《重要ポイント》
【14】嗣後絶不復至。
《書き下し文》
嗣後絶えて復た至らず。
《和訳》
その後二度と(その屋敷を)訪れることはなかった。
《重要ポイント》
不復A=またAせず=二度とAしない(部分否定)
【15】及来歲清明日、忽思之、情不可抑。
《書き下し文》
来歳清明の日に及び、忽ち之を思ひ、情抑ふべからず。
《和訳》
翌年、晴明節の日になって、(崔護は)ふと娘のことを思い出し、恋しい気持ちを抑えることができなかった。
《重要ポイント》
来歲=翌年
忽ち=ふと、突然
不可A=Aすべからず=Aできない(不可能形)
【16】逕往尋之、門牆如故、而已鎖扃之
《書き下し文》
逕ちに往きて之を尋ぬれば、門牆故のごとくなるも、已に之を鎖扃せり。
《和訳》
すぐに出かけて行ってこれ(=娘の屋敷)を訪ねると、門と土塀はもとのとおりであったが、もはや門にかんぬきをして閉じていた。
《重要ポイント》
逕ちに=すぐさま、すぐに
如A=Aがごとし=Aのようだ(比況形)
本文では・・・
如故=故のごとくなるも
🐰読み仮名・送り仮名が特殊なので覚えよう!
【17】因題詩於左扉曰、
《書き下し文》
因りて詩を左扉に題して曰はく、
《和訳》
そこで、詩を左の扉に書きつけて言うことには、
《重要ポイント》
因りて=それゆえ、そこで
【18】去年今日此門中
《書き下し文》
去年の今日此の門の中
《和訳》
昨年の今日、この門の中で、
《重要ポイント》
【19】人面桃花相映紅
《書き下し文》
人面桃花相映じて紅なり
《和訳》
(美しいあの)人の顔と桃の花とがお互いに紅色に照り映えていた。
《重要ポイント》
【20】人面祇今何処去
《書き下し文》
人面は祇だ今何れの処にか去る
《和訳》
(あの美しい)顔の人はいったい今どこに去ってしまったのか。
《重要ポイント》
人面=人の顔
本文では「娘の顔」つまり、娘自身のことを表しています🐰
【21】桃花依旧笑春風
《書き下し文》
桃花は旧に依りて春風に笑ふ と。
《和訳》
桃の花は昔のまま春風にほほ笑んでいるようだ と。
《重要ポイント》
✏️笑春風とはどのような様子??
桃の花が春風に吹かれて、笑うようにさざめきながら、美しく咲いている様子
【22】後数日、偶至都城南、復往尋之。
《書き下し文》
後数日、偶都城の南に至り、復た往きて之を尋ぬ。
《和訳》
その数日後、(崔護は)たまたま長安の南に行ったので、再び娘の屋敷を訪ねた。
《重要ポイント》
【23】聞其中有哭声、扣門問之。
《書き下し文》
其の中に哭声有るを聞き、門を扣きて之を問ふ。
《和訳》
その屋敷の中で、死者を弔って泣く声がするのを聞き、門をたたいてそのわけを尋ねた。
《重要ポイント》
哭声(こくせい)
この時代は、大声で泣くことが死者への礼だと考えられていたんです🐰
弔うために大声で泣いているのですね・・・
【24】有老父出曰、「君非崔護耶。」
《書き下し文》
老父有り、出でて曰はく、「君は崔護に非ずや。」と。
《和訳》
老父がいて、出てきて言うには、「あなたは崔護ではありませんか。」と。
《重要ポイント》
非A耶=Aにあらずや=Aではないか(疑問・否定)
非A=Aにあらず=Aではない、Aなわけではない(否定)
A耶=Aや=Aだろうか(疑問)
🐰本文ではこの2つが合わせさって、使われているよ💡
🐰疑問の助詞プラスワン🐰
耶・也・哉・邪・歟・乎
など沢山あるので、覚えておこう!!
【25】曰、「是也。」
《書き下し文》
曰はく、「是なり。」と。
《和訳》
(崔護が)言うことには、「そうです。」と。
《重要ポイント》
【26】又哭曰、「君殺吾女。」
《書き下し文》
又哭して曰はく、「君吾が女を殺せり。」と。
《和訳》
(老父が)さらに声をあげて泣いて言うことには、「あなたは私の娘を殺しました。」と。
《重要ポイント》
【27】護驚起、莫知所答。
《書き下し文》
護驚き起ちて、答ふる所を知る莫し。
《和訳》
崔護は驚き立ち上がって、答えることができなかった。
《重要ポイント》
所答=答ふる所
💡「所」=下の動詞を名詞化してくれるよ❗️
本文では答えることと略されます🐰
【28】老父曰、「吾女笄年知書、未適人。
《書き下し文》
老父曰はく、「吾が女は笄年にして書を知り、未だ人に適かず。
《和訳》
老父が言うには、「私の娘は十五歳で読み書きを身につけていましたが、まだ嫁に行っていませんでした。
《重要ポイント》
未A=未だAず=まだAしない(再読文字)
💡再読文字は、一度目の読みは漢字!二度目の読みはひらがなにするルールだよ🐰
【29】自去年以来、常恍惚若有所失。
《書き下し文》
去年より以来、常に恍惚として失ふ所有るがごとし。
《和訳》
去年から、いつもぼんやりとして気が抜けたような状態になりました。
《重要ポイント》
【30】比日与之出。
《書き下し文》
比日之と出づ。
《和訳》
最近娘と出かけました。
《重要ポイント》
之=娘のことを指すよ❗️
【31】及帰、見左扉有字、読之入門而病。
《書き下し文》
帰るに及び、左扉に字有るを見、之を読み門に入りて病む。
《和訳》
帰ってくると、(門の)左の扉に字が書いてあるのを見て、それを読んで門の中に入ると(娘は)病気になりました。
《重要ポイント》
【32】遂絶食数日而死。
《書き下し文》
遂に食を絶つこと数日にして死せり。
《和訳》
そのまま食事をとらなくなって数日で死んでしまいました。
《重要ポイント》
遂に=そのまま
⚠️現代語と同じように「ついに」「とうとう」と略さないように注意❗️
【33】吾老矣。
《書き下し文》
吾老いたり。
《和訳》
私は年老いています。
《重要ポイント》
【34】此女所以不嫁者、将求君子以託吾身。
《書き下し文》
此の女の嫁がざりし所以の者は、将に君子を求めて以って吾が身を託せんとすればなり。
《和訳》
この娘が嫁に行かなかった理由は、あなた様を探し求めて自身の身を託そうとしていたからなのです。
《重要ポイント》
此女所以不嫁者
「所以」=理由、わけ
「者」=〜する理由
現代語では「者」は〜する人として略されますが、漢文では「~すること」「~する物」「〜する理由」など使える理由が広くなっています💡
将A=将にAせんとす=いまにもAしそうだ(再読文字)
💡再読文字は、一度目の読みは漢字!二度目の読みはひらがなにするルールだよ🐰
【35】今不幸而殞。
《書き下し文》
今不幸にして殞す。
《和訳》
(娘は)今不幸にも死んでしまいました。
《重要ポイント》
【36】得非君殺之耶。」
《書き下し文》
君之を殺すに非ざるを得んや。」と。
《和訳》
あなたが娘を殺さなかったと言えましょうか。(いや、あなたが殺したようなものだ。)」と。
《重要ポイント》
A耶=反語を表す
Aだろうか、いやAなわけない
💡和訳問題が出る可能性大!しっかり覚えましょう❗️
【37】又特大哭。
《書き下し文》
又特に大いに哭す。
《和訳》
(老父は)さらに特に大きな声で泣いた。
《重要ポイント》
【38】崔亦感慟、請入哭之、尚儼然在牀。
《書き下し文》
崔も亦感慟し、請ひ入りて之に哭すれば、尚ほ儼然として牀に在り。
《和訳》
崔護もまた深く悲しみ、頼み込んで家の中に入って娘のために声をあげて泣いた。(娘の遺体は)今もなお厳然な様子で寝台の上にあった。
《重要ポイント》
この一文では、重要単語が沢山!抜け漏れがないように注意⚠️
牀・儼然
【39】崔挙其首、枕其股、哭而祝曰、「某在斯、某在斯。」
《書き下し文》
崔其の首を挙げ、其の股に枕せしめ、哭して祝りて曰はく、「某斯に在り、某斯に在り。」と。
《和訳》
崔護は娘の首を持ち上げ、自分の太ももを枕にさせて、声をあげて泣いて、神に祈って言うことには、「私はここにいますよ、私はここにいますよ。」と。
《重要ポイント》
【40】須臾開目、半日復活矣。
《書き下し文》
須臾にして目を開き、半日にして復た活きたり。
《和訳》
しばらくして(娘は)目を開き、半日で再び生き返った。
《重要ポイント》
【41】父大喜、遂以女帰之。
《書き下し文》
父大いに喜び、遂に女を以つて之に帰がしむ。
《和訳》
父親はたいそう喜び、そのまま娘を崔護に嫁がせた。
《重要ポイント》
之=崔護を表しているよ!
遂に=そのまま
*さっきも出てきた内容だね!和訳注意⚠️
定期テスト予想問題
【第一問・教科書問題】
「及来歲清明日、忽思之、情不可抑」の「之」とはなにを指すか?
【解答のポイント】
これは簡単❗️早わかり重要ポイントの【15】を復習すればOk!
前の文章から、娘だと言うことがわかりますね!
【解答例】
去年の晴明節の日に会った美しい娘のこと。
【第二問・教科書問題】
「去年今日此門中〜」の詩には、崔護のどのような心情が書かれているか、説明してみましょう!
【解答のポイント】
崔護の娘に対する思いを、桃の花に託して告白のために書いた文章ですね!
最後の一文をどのように解釈するかが、ポイントです!
【解答例】
去年のこの日に出会った、桃の花とともにあでやかに照り映えていた美しい娘にまた会いたい!と訪れたが会えず、桃の花は去年と同じように咲いているのに、美しいあなたはどこにいってしまったんだろう・・・会えないことを残念に思っている心情が書かれている。
【第三問・教科書問題】
女はなぜ死に、また生き返ったのかを、考えて説明してみましょう!
【解答のポイント】
娘がずっと崔護を思い続けていたこと、崔護の想いを詩によって知ったこと、娘の亡骸が厳然な様子であったことから推測して考えてみましょう!
【解答例】
①死んだ理由
出会った時から、崔護を思い続けていた娘は、翌年門に書かれた詩によって、崔護も同じ気持ちであることを知る。せっかくの再会の機会を逃してしまったことに、落胆して、崔護に会えないつらさから衰弱してしまい、死に至った。
②生き返った理由
崔護の偽りのない純粋な愛情と、某斯に在りという言葉が、娘に届いて、娘の魂が肉体にもどったから。
これで全て終了です❗️
難しい感じが多く出てきて、最初に読むと内容を理解するのがとっても難しいかもしれません。
だからこそ、ストーリーと段落ごとのポイントをしっかり理解することが大切です。
句法や重要語句もしっかり復習&トレーニングをしましょうね✏️
最初にもお伝えしましたが、、、
⇧に載せてあります『重要単語・現代語訳・書き下し文トレーニング』をテスト1週間前から毎日やってみてください❗️曖昧な理解がなくなり、成績が爆伸びします!!
またお会いしましょう!定期テストがんばれ〜🐻
じゃあね〜、バイバイ!