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授業前にひとこと
今回は『春夜宴桃李園序』について扱っていきます❗️
書き下し文は、『春夜桃李の園に宴するの序』です。
この文章は『人生は短く儚いのだから、もっと自然を味わいつつ詩作して楽しく過ごそう』という李白の楽しみを述べている作品です。
さて、いつも授業前に説明することですが…
⇧に載せてあります『重要単語・現代語訳・書き下し文トレーニング』をテスト1週間前から毎日やってみてください❗️曖昧な理解がなくなり、成績が爆伸びします!!
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勉強のポイント
①李白がどんな楽しみを述べているのか読み取ろう!
②単語・重要ポイントをインプットしよう!
③比況・抑揚・否定・仮定の句法を学ぼう!
本文
夫天地者万物之逆旅、光陰者百代之過客。
而浮生若夢、為歓幾何。
古人秉燭夜遊、良有以也。
況陽春召我以煙景、大塊仮我以文章。
会桃李之芳園、序天倫之楽事。
群季俊秀、皆為恵連。
吾人詠歌、独慚康楽。
幽賞未已、高談転清。
開瓊筵以坐花、飛羽觴而酔月。
不有佳作、何伸雅懐。
如詩不成、罰依金谷酒数。
重要単語
序 | 文体の一種。前書き。ここでは、宴会の様子を書いたもの。 |
逆旅 | 宿屋。「逆」は迎える、という意味。 |
光陰 | 年月。時間。 |
百代之過客 | 永遠の旅人。「百代」は「はくたい」、「過客」は「かきゃく」と読むこともある。 |
浮世 | 儚い人生 |
秉燭 | 灯火を手に持つ。 |
煙景 | かすみたなびく春景色 |
大塊 | 天地。ここは造物主のこと。 |
仮 | 一時貸し与える |
天倫之楽事 | 兄弟たちの楽しみ |
群季 | 多くの年少の者たち |
為恵連 | 恵連のようである。 「恵連」は南北朝の宋の詩人、謝恵連 のこと |
慚康楽 | 康楽に及ばないことを恥じる。 「康楽」は宋の詩人、謝霊運 のこと。謝恵連 のいとこ |
幽賞 | 心静かに(風景を)味わう |
高談 | 高尚な談話 |
瓊筵 | 立派な宴席 |
羽觴 | 鳥が羽を広げた形の杯 |
雅懐 | 風流な心情 |
金谷酒数 | 晋の石崇 が金国園で宴会を開き、詩のできない者に、罰として酒三杯を飲ませた故事による。 |
書き下し文
夫れ天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり。
而して浮生は夢のごとし、歓を為すこと幾何ぞ。
古人燭を秉りて夜遊ぶ、良に以有るなり。
況んや陽春我を召くに煙景を以てし、大塊の我に仮すに文章を以てするをや。
桃李の芳園に会して、天倫の楽事を序す。
群季の俊秀は、皆恵連たり。
吾人の詠歌は、独り康楽に慚づ。
幽賞未だ已まず、高談転た清し。
瓊筵を開きて以て花に坐し、羽觴を飛ばして月に酔ふ。
佳作有らずんば、何ぞ雅懐を伸べん。
如し詩成らずんば、罰は金谷の酒数に依らん。
現代語訳
そもそも天地とは万物を迎えては送り出す宿(のようなもの)であり、時の流れは永遠の旅人(のようなもの)ある。
そしてはかない人生は、夢のようであって、歓楽を尽くそうとしたところで、(それができる時間は)はどれほどあるだろうか。
昔の人は灯火を手に持って夜まで遊んだ(と古詩にいう)が、本当にもっともなことである。
ましてうららかな春が、かすみたなびく春景色で私のことを招き、(天地を作った)造物主が私に文章を書く才能を一時貸し与えてくれたのだから、なおさら(楽しむべき)なのだ。
桃や李の花が香る庭園に集まって、兄弟たちの楽しみを順序立てて並べる。
優れた詩才をもつ多くの年少の者たちは、皆(南北朝宋の詩人)謝恵連のよう(に詩に巧み)である。
(それに比べて)私の作る詩だけは、(謝惠連のいとこである)康楽( = 謝靈運)に及ばず恥ずかしい
心静かに(風景を)味わうことはまだ終わることなく、高尚な談話は、(時間が進むにつれて)ますます清らかになっていった。
立派な宴席を開いて(桃李の)花の下に座り、鳥が羽を広げた形の杯をやりとりして、月を眺めながら酔う。
(このような時に)素晴らしい作品( = 立派な詩)ができなければ、どうして(心の中の)風流な心情を述べることができようか(、いやできない)。
もし詩ができなかったならば、罰として金谷園の故事にならって杯の酒を三杯を飲ませることにしよう。
重要ポイント
【ピンク】重要な漢字・句法
【オレンジ】指示語が指す内容・省略されている内容など読解に必要なこと
【黄色】プラスアルファの内容(大学受験のために知っておきたいこと)
【1】夫天地者万物之逆旅、光陰者百代之過客。
《書き下し文》
夫れ天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり。
《和訳》
そもそも天地とは万物を迎えては送り出す宿(のようなもの)であり、時の流れは永遠の旅人(のようなもの)ある。
《重要ポイント》
『夫』= さて。そもそも
文頭に用いて語調を整える語。
『者』= 主語を提示する助字
【2】而浮生若夢、為歓幾何。
《書き下し文》
而して浮生は夢のごとし、歓を為すこと幾何ぞ。
《和訳》
そしてはかない人生は、夢のようであって、歓楽を尽くそうとしたところで、(それができる時間は)はどれほどあるだろうか。
《重要ポイント》
『而』:そして。
順接を表す接続詞。文頭にある場合は訓読する。
『若夢』= 夢のようだ
『若』= 比況を表す。「〜のようなものだ、〜と同じだ」という意味。「如」と同じ
比況形は…
・体言(名詞)+ ノ → ごとし
・活用語の連体形+ ガ → ごとし
と接続します。また「ごとし」は助動詞なので ひらがな で表すのもお忘れなく。
『幾何』= どれほど。どのくらい。
疑問を表す。時間または数量を尋ねる疑問詞。
【3】古人秉燭夜遊、良有以也。
《書き下し文》
古人燭を秉りて夜遊ぶ、良に以有るなり。
《和訳》
昔の人は灯火を手に持って夜まで遊んだ(と古詩にいう)が、本当にもっともなことである。
《重要ポイント》
『古人』= 昔の人
『良』= 本当に
『以』= 理由。「ゆえ」と読みます。
「良有以也」= 本当に理由があることだ、という意味になり、「もっともなことだ」という解釈をしています。
【4】況陽春召我以煙景、大塊仮我以文章。
《書き下し文》
況んや陽春我を召くに煙景を以てし、大塊の我に仮すに文章を以てするをや。
《和訳》
ましてうららかな春が、かすみたなびく春景色で私のことを招き、(天地を作った)造物主が私に文章を書く才能を一時貸し与えてくれたのだから、なおさら(楽しむべき)なのだ。
《重要ポイント》
『況陽春召我以煙景、大塊仮我以文章』= ましてこの素晴らしい時節にして、私にはそれを表現できる詩才があるのだから、なおさら楽しむことにしよう、ということ。
『召』= 招く
*「招」と同じ
『文章』= ここでは、「文章を作る才能」の意味
抑揚形は…
・A且B、況C乎
「AすらかつB、いはんやCをや」と表現することが多く、「AでさえBだ、ましてCであればなおさらだ」と前文に程度の軽いものをあげ、後文の程度のものは当然であることを強調する。
基本的には、「況〜乎」と「乎」で受けるが、「乎」がなくても「〜をや」と結ぶ。
【5】会桃李之芳園、序天倫之楽事。
《書き下し文》
桃李の芳園に会して、天倫の楽事を序す。
《和訳》
桃や李すももの花が香る庭園に集まって、兄弟たちの楽しみを順序立てて並べる。
《重要ポイント》
『序天倫之楽事』= 兄弟たちの楽しみを順序立てて並べる。
『序』= 順序よくとり行うこと
『天倫』= 天の定めた順序ある間柄のことで、兄弟・父子など肉親関係をいう。
【6】群季俊秀、皆為恵連。
《書き下し文》
群季の俊秀は、皆恵連たり。
《和訳》
優れた詩才をもつ多くの年少の者たちは、皆(南北朝宋の詩人)謝恵連のよう(に詩に巧み)である。
《重要ポイント》
『俊秀』= ここでは、詩才が優れていること(またはその人)を指す。
【7】吾人詠歌、独慚康楽。
《書き下し文》
吾人の詠歌は、独り康楽に慚づ。
《和訳》
(それに比べて)私の作る詩だけは、(謝惠連のいとこである)康楽( = 謝靈運)に及ばず恥ずかしい
《重要ポイント》
『吾人』= ここでは、自分(李白)を意味する。
*基本的には、一人称複数の「私たち・我々」の意味で用いられることが多い。
『独』= ここでは、「私の作る詩だけは…」を意味する。
*限定を表す副詞。
【8】幽賞未已、高談転清。
《書き下し文》
幽賞未だ已まず、高談転た清し。
《和訳》
心静かに(風景を)味わうことはまだ終わることなく、高尚な談話は、(時間が進むにつれて)ますます清らかになっていった。
《重要ポイント》
『未已』= まだ終わらない
『未〜』は再読文字で、「まだ〜しない」を意味する。
再読文字なので、左下に返り点ががあるのを一度無視して「いまだ」と読み、あとは返り点通りに読めばOK。「いまだ〜(せ)ず」と読みます。
「ず」は打消の助動詞、接続は『未然形』
『転清』= ますます清らかになった、という意味。
『転』= いよいよ、ますます
【9】開瓊筵以坐花、飛羽觴而酔月。
《書き下し文》
瓊筵を開きて以て花に坐し、羽觴を飛ばして月に酔ふ。
《和訳》
立派な宴席を開いて(桃李の)花の下に座り、鳥が羽を広げた形の杯をやりとりして、月を眺めながら酔う。
《重要ポイント》
『飛羽觴』= 鳥が羽を広げた形の杯をやりとりして、という意味。
*「羽觴」に対応させて「飛」を用いている
【10】不有佳作、何伸雅懐。
《書き下し文》
佳作有らずんば、何ぞ雅懐を伸べん。
《和訳》
(このような時に)素晴らしい作品( = 立派な詩)ができなければ、どうして(心の中の)風流な心情を述べることができようか(、いやできない)。
《重要ポイント》
『何伸雅懐』= 「どうして(心の中の)風流な心情を述べることができようか(、いやできない)。」、という意味。
『何A』= 反語を表す。どうしてAするであろうか、いやAしない
『伸』= 気持ちを述べる。「述」と同じ
『何〜(乎)』は疑問・反語を表す句形で、
・「なんぞ〜(せ)ん(や)」 → 反語(どうして〜だろうか、いや〜ない)
・「なんぞ〜(する)(や)」 → 疑問(どうして〜だろうか)
と2パターンあります。
反語の場合の「〜んや」は、未然形 + 推量の助動詞「ん」
反語の場合の「〜(する)」は、連体形になります。
【11】如詩不成、罰依金谷酒数。
《書き下し文》
如し詩成らずんば、罰は金谷の酒数に依らん。
《和訳》
もし詩ができなかったならば、罰として金谷園の故事にならって杯の酒を三杯を飲ませることにしよう。
《重要ポイント》
『如詩不成』= 「もし詩ができなかったならば」という意味。
『如A』= 仮定を表す。もしAならば
『不A』= 否定を表す。Aしない
『不〜』は否定を表す句形で、
・「〜(せ)ず」
と読みます。
「ず」は古文の打消の助動詞「ず」なので、必ず未然形から返読します。
助動詞なので、書き下し文ではひらがなにします。
『如〜』は仮定(もし〜ならば)を表す句形で、
・「もし 〜(せ)ば」
と読みます。
上記のように「もし」は「〜ば」と呼応するのですが、基本的には『未然形 + ば』がセットになります。古文で言う『順接仮定条件』です。
「若」も「もし」と読むので覚えておきましょう。
ここまで執筆完了❗️日々解説を加えていきます!
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定期テスト予想問題
【第一問・教科書問題】
「有以也」とあるが、なぜか?
【解答のポイント】
3文目の「古人秉燭夜遊、良有以也」は、先ほど説明した通り「昔の人は灯火を手に持って夜まで遊んだ(と古詩にいう)が、本当にもっともなことである」という意味です。
それと2文目との関係を踏まえて解答してみましょう!
ちなみに2文目は…
「而浮生若夢、為歓幾何。」
「そしてはかない人生は、夢のようであって、歓楽を尽くそうとしたところで、(それができる時間は)はどれほどあるだろうか。」という意味です。
【解答例】
人生は夢のように儚く、歓楽を尽くす時間もわずかなので、昔の人が昼だけではなく、灯火を持って夜まで遊んだというのももっともなことだと思ったから。
【第二問・教科書問題】
李白はこの文章でどのような楽しみを述べているか、まとめてみましょう。
【解答のポイント】
この文章では、人生は儚いものだから、昼夜の別なく楽しむべきだということが述べられている。その楽しみの具体的な内容は第二段落に述べられているので、そこからまとめるのが Good。
【解答例】
陽春の時節、桃李の庭園に一族の兄弟たちが集まって酒宴を張り、夜を徹して詩歌を競い、歓談し、酒杯を酌み交わすという楽しみ。
【第三問・教科書問題】
この文章は「駢文」といわれる文体で書かれている。その特徴とはなんですか?
【解答のポイント】
冒頭から句読点で区切ってみると分かりやすいです。
【解答例】
①四字句、六字句が基本。
(四字句の例:浮生若夢・為歓幾何)
(六字句の例:開瓊筵以坐花・飛羽觴而酔月)
②対句を用いる
(例:群季俊秀、皆為恵連 ↔︎ 吾人詠歌、独慚康楽)
③故事を多く用いる
(例:金谷酒数)
【第四問・句法問題】
「而浮生若夢、為歓幾何」を書き下し文に直してください。
【解答のポイント】
こちらからポイントを復習してみましょう。
【解答例】
而して浮生は夢のごとし、歓を為すこと幾何ぞ。
これで全て終了です❗️
漢詩は文章自体は短いので、重要語句と情景をイメージして覚えよう!
最初にもお伝えしましたが、、、
⇧に載せてあります『重要単語・現代語訳・書き下し文トレーニング』をテスト1週間前から毎日やってみてください❗️曖昧な理解がなくなり、成績が爆伸びします!!
またお会いしましょう!定期テストがんばれ〜🐻
じゃあね〜、バイバイ!